PCBの詳細PCBの詳細

PCB

Polychlorinated Biphenyls
(ポリ塩化ビフェニル)の略称です。
主に油状の物体。

PCBの性質

水に溶けにくい・油に溶けやすい・
不燃性・(電気)絶縁性・熱分解しにくい・
沸点が高いなどの性質を持っています。

●分子に保有する塩素の数や、その位置の違いにより理論的に209種の異性体が存在し、
中でもコプラナーPCB(コプラナー・・・共平面状構造の意味)と呼ばれるPCBの毒性は極めて強くダイオキシン類として総称される物の一つとされています。

●ダイオキシン類の主な発生源は、ごみ焼却などの燃焼、製鋼用電気炉、たばこの煙、自動車の排気ガスなど様々な発生源があり、いずれも意図的に製造したのではなく、非意図的に生成されたといえます。
一方、PCBに含まれるダイオキシン類であるコプラナーPCBについては、ごみ焼却のほか、トランス、コンデンサなどの紛失・不明による機器内に含有していたPCBの流出などにより存在していると言われています。

ネジ ネジ ネジ ネジ

PCBは科学的に安定している事から様々な用途で利用されてきました。
昭和43年、西日本を中心として広い範囲でカネミ油症事件(米ぬか油による食中毒)が発生しました。
この事件は米ぬか油の脱臭行程の熱媒体として用いられたPCBの「油に溶けやすい」という性質が災いして、米ぬか油中に流出、米ぬか油を摂取した約1万3千人の人々が食中毒を起こしたという事件です。

PCBを慢性的に摂取すると徐々に体内に蓄積し、中毒症状を引き起こします。
中毒症状の一例として目やに、爪、口腔粘膜の色素沈着、座瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節の腫れなどが報告されています。

PCB廃棄物は食物連鎖などで生物の体内に濃縮しやすい事、分解されにくいため広く環境中に残留し、長距離を移動して地球規模での汚染(アザラシ・クジラなど)を引き起こす事などが報告され、社会問題化しました。

これらを受け、昭和47年、PCBの製造や新たな使用が禁止されました。
しかし適性処理を実施できる施設が無かったため、全国で未だ多くの方々が保管を続けられているのが現状です。長期の保管は紛失や漏洩を生み、既に次世代の環境安全が脅かされています。

PCB使用の代表的な電気機器

国内では、昭和47年までに約54,000トンのPCBが使用されています。

高圧トランス

発電所などから送られてきた電気の電圧を変える装置です。
トランス内はPCB油とトリクロロベンゼンの混合液(重量比3:2)で満たされています。例えば、50KVAの場合でも約115kgのPCBが入っています。

キャラクター1

高圧コンデンサ

電気を一時的に蓄える、電圧を調整する、位相を変化させる、といった効果を持つ装置です。
コンデンサ内はPCB油で満たされています。例えば、100KVAの場合で約35kgのPCBが入っています。

キャラクター2

安定器

昭和47年8月以前に製造された業務された業務用・施設用蛍光灯などに用いられた。家庭用の蛍光灯には使われていません。
コンデンサ内の巻紙の隙間に少量のPCB油が含浸されています。
昭和47年8月以前に製造された業務用・施設用蛍光灯器具の安定器では数十g程度のPCBが入っているものもあります。

キャラクター3
※それぞれの機器にPCBが含まれているかどうかは、弊社にご相談ください。
※上記の電気機器の他、PCBを含む電気機器には、低圧トランス、低圧コンデンサ、その他機器(リアクトル、サージアブソーバー、計器用変成器)などがあります。これらもPCB特別措置法の届出対象となっています。